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しょうたさん(30代)

関東→大崎市(Jターン)

鳴子漆器職人

情熱×伝統を受け継ぐ『鳴子漆器』

私の仕事は地域との関わり抜きにしてはできないんです。仕事を辞める時が鳴子を去る時なんだろうなぁと思っています。

出身は宮城県仙台市。宮城を出て関西の大学に入って、卒業後は東京でサラリーマンとして働いてました。10年続けましたね。ちゃんと働いていれば安定した給料がもらえる、週休二日制で長期休暇だって取れるし、職場環境や条件は良かったんだけど。どんな仕事でも好きじゃなきゃ続かないと思うんですよ。私にはサラリーマンは向いてないってずっと思っていたし。東京で一生を全うするイメージが持てなくて、会社を辞めたら地元で自分で何かしたいと思っていて、次の仕事を探していた時に見つけたのが大崎市の地域おこし協力隊の募集でした。

採用となった協力隊は、国の伝統的工芸品に指定されている『鳴子漆器』の担い手育成。泣いても笑っても期間は三年しかないんです。その三年間でどこまで身に着けることができるのか。技は見て覚えろっていう教え方をする人もいると思うけど師匠はまったく逆で、分からないことは聞かないと損だよって言ってくれたんです。私にはそれが合っていたんだと思います。オープンマインドな師匠だったからこそモチベーションも維持できたし、協力隊の期間が終わってもこの仕事を続けてこれたんじゃないかな。

 

おかげでこの仕事が嫌になったこと、一度もないんです。師匠の下、漆工業を学ぶことができて私はとてもラッキーだったと思います。もし違う教え方だったら続けていなかったかもしれない。そういう運命だったんでしょうね。今後は漆を軸にして地域にどう貢献できるか、どうしたら鳴子が元気になるか考えています。今年小規模ながらも開催した工芸のイベントもその為の活動で、少しずつでも地元でこういう活動をやっていれば、後からこういうことやってたなって思い出してまた鳴子に行ってみようかってなるかもしれないじゃないですか。もちろん工芸に関わらず、地元の活動やイベントに参加しながら、本業は本業でちゃんとやりますよ。

 

頑張って物事を継続していればそれを見た地域の人が目を掛けてくれたり、協力してくれたりするんです。鳴子じゃなかったらここまでやれていないですね。

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